2009年01月06日

13 中三の聖バレンタインデーの記憶


 
 
 その瞬間ぼくはふと、中三のバレンタインデーのときのことを思い出した。
 ねえ、ねえ、きみ〜、放課後、体育館の裏に行ってみてねぇ。――え、どうして? ――いいからあ、絶対行くんだよー、わかったぁ? お願いだからさぁ。―― 掃除の時間、同じクラスの女子が近づいてきて言った。バレンタインだから、彼女がぼくにチョコをくれるのかと思った。クラスで一番ませている女子だった。放課後、体育館の裏に行ってみた。するとそこに見たこともない女の子が立っていた。小柄だが、着ている制服の胸が窮屈そうに膨らんでいる。その上には一年後輩の“2―C”と書かれたバッチがとめられている。他の生徒のよりも短い制服のミニスカートが巻かれた腰がツンと上を向いていて、寒そうな太ももが紫色になっている。胸を張ったいい姿勢でぼくの前に立っている小柄な後輩は、恥ずかしそうに上目づかいでぼくを見ている。でも、ぼくは彼女を今まで一度も見た記憶がない。真っ赤になって「先輩、これ」と言って、綺麗にラッピングされた包みを差し出した。ぼくはそれを受け取り、「ありがとう」と言った。その瞬間、彼女は何も言わずに一目散に走り去って行った。翌日、体育館の裏に行ってねと言った同級生の女の子に訊いてみた。いったいあの子だれなの? 一度も見たことないよ。すると彼女は、あたしの後輩よ、と言い、最近転校して来たの、後輩の学年ではもう有名よ、なによー、知らなかったぁ? かわいいから大騒ぎになったんだからー、うそでしょ〜、知らないふりしてー、気があるんじゃない〜? とぼくをからかった。いや、本当に知らないよ、と言うと、きみー、ありがとうって言ったんだって〜、やるじゃない〜、彼女すっごく喜んでたよぉ〜、と、まるで焼きもちを焼いているようにぼくをからかうと、もうそれ以上彼女のことを話すのをやめてしまった。彼女が誰なのか、何年何組の子なのか、ついに分からないまま、いつの間にか彼女のことなどすっかり忘れていた。不思議と学校でもその後一度も顔を合わせなかった。だから、たった一度だけ見た顔さえすっかり記憶から消えていた。ところが、春休みの前日、机の中の物を鞄に入れようとすると、そこにかなりぶ厚い封筒が入っているのを発見した。ぼくはそれをなぜか鞄に入れて家に持ち帰った。そして自分の部屋の中でその封筒を開けてみた。すると中には綺麗な便箋に書かれた手紙が入っていた。――わたしってほんとにドジです。先輩に手袋編んだのに・・。アイロンかけたら焦がしちゃった。あたしの気持ちみたい・・。ゴメンなさい。でも、この手袋送ります。 ❤中田めぐみ――。大きな封筒の中には、真っ白い地に赤いハートの模様を編み込んだ毛糸の手袋が入っていた。赤いハートは、アイロンの跡で真っ黒に焦げていた。きっと、ぼくにチョコレートをくれたあの後輩に違いないと思った。でも、ぼくは彼女に返事も書かなかった。どこに返事を出していいのか分からなかったから。そして、不思議なことにその後一度も彼女と顔を合せなかったから、彼女のことなどすっかり忘れていた。それなのに、なぜか今、そのことを思い出した。

「あのぉ・・今、何してるんですか?」
「・・」
「・・大学、行かなかったんですか?」
「え?」
「・・放浪して死んだって噂、聞いたから・・」
 いったい誰がそんな噂を広めているのだろう。でも、今はそんなことはどうでもよかった。
「あのぉ・・先輩ですよね・・」
 ぼくは中学の後輩が何か言い終わらないうちに「今から遊びにいかない?」と言って、あっけに取られている彼女の腕を掴み、廊下を走りだした。
 もう我慢できない。なんでもいい。どうなってもよかった。
 廊下を曲がると、さっきそっちに曲がった先生の姿はもう見えなかった。そこには男女に別れているトイレの扉があった。男子便所の扉を開けると誰もいない。彼女の手を握ったまま、急いで中に駆け込み、二人で一番奥の大便所のパーティションの中に入って鍵をかけた。
 急いでGパンのジッパーを下ろすと、パンツも履いていないビンビンに硬くなった一物がビックリ箱から飛び出すバネ仕掛けのオモチャのように上を向いて勢いよく社会の窓から飛び出してきた。
 ぼくは、それをジッパーの間から陰嚢まで丸出しにして握り、めぐみに見せた。
「あっ、これっ・・」
 彼女の手をとって、それを握らせると、思わず口走った。
「あっ! やめてください!」
 もう痛くてたまらないほど勃起したペニスを彼女の手に強引に握らせ、その上から生身の性器をしごいた。
 狭い便所の壁に押しつけられ、じとじとした暑い空気の中でペニスを握らされた途端、窒息しそうに喘ぎ始めた後輩は、首まで赤くなって放心したように全身の力が抜けてしまった。赤子のようにぎゅっと目をつぶったまま顎を上げた顔の、ゆがんで半開きになった赤い唇に舌を突っ込むと、後輩の舌は別の舌に嘗め回されて息もできずに額に皺を寄せて喘いだ。無理やり上からペニスを握らされた掌は汗ばんでじっとりと濡れてきた。そのまま固く握られた男根は高校三年生になっためぐみの手の中でさらに硬く熱くなり、無意識にそれをしごいている彼女の汗と一緒になってベトベトになった。
 ぼくは、彼女の甘く匂う汗と湿気でしっとり濡れたレモンイエローのTシャツの上から、透けて見えていたブラジャーを触った。まるでモナカの皮のようなブラジャーの感触の上から、それに包まれた柔らかい胸を掴んだ。
 今ではすっかり大人びた高校生になった中学のときの後輩は性的に興奮して、胸を掴まれ、さすられ、揉まれているうちに、きつく締めつけられていたバストがブラジャーから外れて、乳房が薄いTシャツの下で露わになった。ぼくは汗で湿ったコットンのTシャツの下に手を滑り込ませ、まるでハンペンのようにすべすべしたきめの細かい肌をさすり、ゴムマリのように膨らんだ乳房をTシャツから丸出しにして揉みしだいた。
 まるで餅のように柔らかく、指に冷たく絡みつくパン生地のように膨らんだゴムマリの中央に、剥きエビのように薄い皮膚がネチネチ指先にくっつく乳首を探り当てると、ぼくはそれを、まるでオルゴン・エネルギー発信装置のボタンでもあるかのように、弾力のある乳房に何度も押し込んで、彼女がさらに発情するのを確かめようとした。
 後輩は身をくねらせて抵抗した。そして、口の中で何度も弱弱しくダメダメダメと呟いた。
 それでもぼくは彼女を片腕で抱いて、もう一つの手でしつこく呼び鈴のボタンを押し続け、女の欲情の本性を、閉じられた羞恥心の扉から呼び出そうとした。
 すると急に、後輩の乳首はカラをむいたばかりの茹でたウズラの卵のようにツルリと勃起して、ボタンを押し込んでいたぼくの人差し指の腹を持ち上げた。それと同時に、彼女は荒い息をしながら低いうめき声をもらした。そして、まるでボツボツした突起をこそぎ落とすために、あら塩をまぶしてキュウリもみをするかのように、ぼくの硬く長く伸びたペニスをきつく手で握り締め、以前よりも力を入れて必死になってしごき始めた。
 眉間に皺をよせ、目をつぶってぼくのペニスをしごいているめぐみの顔を見ていると、まるで苦行をさせられている尼のようだと思った。女子高生は、汗と涙でぐちゃぐちゃになった顔をしかめて、泣きながら苦役に服している。何度もしごかれるうちに、だんだんと後輩に強く握られた男根は痺れてきて、気が遠くなってきた。そのときぼくはふと、カリフォルニアのミルバレーで出会った女の子のことを思い出した。いや、カリフォルニアから飛行機に乗って日本に帰ってきて以来、彼女のことを片時も忘れることができなかったマリアという名前の白人のパナマ人。小柄だが、真っ白い顔の、コケティッシュな女の子。金髪のショートヘアーはカールしていて、真っ赤な袖なしのワンピースから出ている真っ白な腕や脚の肌は、象牙のようにきめ細かく光っていた。胸は垂直に膨らんでいて、ぼくよりも一、二歳年上だったマリア。


 
 
 
 
 
posted by hoshius at 06:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 狂犬革命 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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